こんな辺鄙なブログの書き方なぞ興味あるものではあるまい……というのは大岡昇平『暗号手』の書き出しのパロディだが、今回は自分がブログを一記事書くまでどうやっているのか、を書こうと思う。誰かの役に立つかもしれないし、今のやり方を改めて自己認識するのは自分の役に立つだろう。
記事のテーマと資料を探す
まず「何について書くか」を決める。このブログの場合だいたいが本とか映画についてだが、読んでいて「これは記事にできるな」と思う場合もあれば、記事にするためにこれを読もうと思う場合もある。
この映画の記事を書こうと思った際に、映画に原作があればそれを取り寄せるなど、資料を探すのもこのあたりで準備をする。
マインドマップの形で記事メモを作る
映画を観たり、本を読んだりして記事を書くのに必要な情報を取り入れたら、記事のひな形になるマインドマップを作る。
マインドマップとは頭の中にある曖昧模糊とした考えやアイディアを紙の上に書き出していく思考整理法・表現法のことだ。表現したい概念を紙の中心に書き、そこから放射状にキーワードやアイディアを広げ書き留めていくのだが、これが自分の中の考えを整理するのに効く。
頭の中にある概念を紙の上に広げるというより、紙の上に表現されたものが自分の考えだという方が正確だろう。頭の中でいくら考えても実際に考えていることにはならない。何らかの形で現実に表現しないと、思考はいっこうにまとまってくれない。
実際に自分が作ったマインドマップはこんな感じ。
マインドマップは罫線のない紙に書かなきゃいけないとか中心から放射状に書かなきゃいけないとか色々無視しているがまぁいいんだそこは。
大事なことは「自分で検閲をしない」「些細なことでも思いつくままに書いていく」ということだ。
「これは書くまでもないことだ」とか「これは他の人も書いてることだ」とか自分で自分の思考に検閲をしてはいけない。自分の書いていることに触発されて思い浮かんだものはまたすぐに書き留める、それにさらに刺激されてまた別の考えが思い浮かぶの連続でマインドマップができあがる。
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また、Scrapboxに箇条書きで記事メモを作ることもある。
ScrapboxとはEvernoteとかOneNoteのような情報整理サービスなのだが、便利なのがネットブラウザからメモ帳を書くような感覚で利用できることだ。パソコンの前で他の資料を閲覧しながらも編集できるし、寝転がって本を読みつつiPhoneやFireタブレットからでも編集することができる。詳しくは公式サイトを見てほしい。
Scrapboxで記事メモを書くとこんな感じになる。
このように短い文章を箇条書きにして更に階層構造を作って文章の組み立てを考えるやり方をアウトラインプロセッサと言うらしい。こちらはまだマインドマップほどうまく使いこなせていないが……。
メモをもとにして記事を書く
マインドマップなりScrapboxなりで記事メモが完成したらそれをもとにして記事を書く。
ここがスムーズに行くかどうかは記事メモをどれだけ膨らませたかによる。膨らんでなければそもそもネタがなくて書けないが、膨らみすぎててもどういう順番で書けばいいかで悩む。
どこから話を始めるかを決めるのが一番大事だが、二番目に大事なのはどういう風に終わらせるかだ。オチが思いついていればそこにむかってネタを並べていけばいいが、それが思いつかなければ、何度も文章を並べ替えたりマインドマップに戻ってまた考え直したりで試行錯誤する。
ブログを書くのに使う道具
ノートとペン
マインドマップを作るのに使う。マインドマップを作るのには無地のほうが好ましいとされるが私はあまり気にしていない。
ペンはユニボールエアを使っているがまぁなんでもよろしい。ただインクが出てこないとテンポが削がれて執筆に支障をきたすので、どっかでもらってきた安物のボールペンを使ってはいけない。
Scrapbox
上に書いた情報整理サービス。記事メモとか読書メモとかちょっとしたアイディアとか忘れがちな言葉とか色々放り込んでいる。
複数人による同時編集も可能で公式では「チームのための新しい共有ノート」とされているが、個人のメモ帳にも十二分すぎるほど使える。個人で使う分には無料で容量無制限とのことだが話がうますぎるような気がするほどだ。
公式で使い方をマンガで説明しているので詳しくはそちらを見ていただきたい。
文鎮
文鎮。
いやこれが結構重要で、本から文章を引用する時なんか開きっぱなしにしたい時が頻繁にある。そんな時に文鎮はなくてはならないものだ。
しかし、売られているのはだいたい書道用で、自分が求めているような幅広で(そうじゃないと本の弾力ですぐにころがってしまう)本サイズの文鎮はなかなかなく結局自作を強いられた。上の画像の文鎮は既存のものを2つ並べてゴムテープで巻いたものになる。