今週読んだ本―スターウォーズとか怖いへんないきものとか

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高橋ヨシキ『スター・ウォーズ 禁断の真実』

『ファントム・メナス』から『最後のジェダイ』まで外伝映画を含めて考察していった本。

『スターウォーズ』という映画の特殊性、先見性から、ルーカスの手から離れてしまったシリーズが陥った呪縛など読んでいて非常に面白い。「途中から始まり途中で終わる」という連続シリーズ映画はもはや余りにも一般化してしまったので気づかないが、その道は『帝国の逆襲』が拓いたものとか、全編をデジタル撮影し、CGIと組み合わせて素材化して表現の幅を飛躍的に上げたプリクエル三部作とか、今では当たり前のことだがルーカスが初めて(ヴィジョンを伴って)行ったことは多いのだなあと感心させられた。

中野京子・早川いくを『怖いへんないきものの絵』

『怖い絵』の中野京子と、『へんないきもの』の早川いくをがコンビを組んでできた『怖いへんないきものの絵』の本。両シリーズとも読んできたのでこのコラボは面白かった。

早川いくをの質問に中野京子が答えるかたちで書かれている本で、メインとしては早川いくを。絵画の中の珍妙ないきものにツッコミを入れていく作風は『へんないきもの』シリーズと同じ感じだ。

ルーベンスの描いた『ロムルスとレムス』の絵にオオカミに育てられた子供の話は非常に多いが学問的に裏付けが取れたものはほとんどないとか、パオリーニの『カニに指を挟まれる少年』のカニの描かれ方がおかしいとかいろいろツッコミが入っているのだが一番好きなのは若き日にサメに片足を食われたロンドン市長ワトソン氏の紋章に対する以下のツッコミ。

悪いオバQ
中野京子・早川いくを『怖いへんないきものの絵』P22

「振り込め詐欺やりそうなオバQ」とか「紋章に使われている動植物の中でも断トツで下手」とか散々である。

森本あんり『キリスト教でたどるアメリカ史』

アメリカ建国以前の植民事業から現在までのアメリカ史を、キリスト教を中心に記述した歴史書。

事実関係の羅列が多く、個々の事例とその影響、意味合いについてそこまで深く書かれてないのが残念だが、アメリカの始まりから現在までを通して一冊の本にしたということに大きな意味があるのだろう。より詳しく知りたいのならここから更に調べればいいわけで。

雷の実験で有名なベンジャミン・フランクリンが巡回説教者ホイットフィールドの説教を印刷し信仰復興リバイバルに大きな貢献をしたとかよく知る人物のキリスト教側面を知れるのが面白い。またアメリカの政策とキリスト教に密接な関係があることがわかるし、日本ではあまり知られていない多くのキリスト教指導者について知るきっかけを得られる。次は同著者の『反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―』を読みたい。

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