【感想】ランボー弱者が『ランボー2 怒りの脱出』を観てみた記事―続編としてはそれなりに納得

前回初代『ランボー』を観たのでその続き。

……を見ようとしてアマゾンのあらすじでさっそくつまづいた。

ランボーは行方不明になったアメリカ兵士を追跡するために再び現在のベトナムへ送られる。自分の中にある断固とした倫理観に突き動かされ、ランボーは命令を破り自らの敵に復讐を果たすことを誓う。
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再びベトナムに送られるのってかわいそうじゃね?ランボーに必要なのは社会に復帰するための治療であって、いくら能力があるとはいえ戦場送りはどうなの。

30年遅れでそんな感想を抱いてしまうが当時の人は実際どんな気持ちで映画館に行ったのだろうか。前作から3年後の続編化か。そもそも初代を観た感想で言わなかったが全然続きができそうな映画では無かったよなぁ。それは『ロッキー』も同じだけど。

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観ながらの感想

  • 俺は消耗品エクスペンダブルなんだと自嘲するランボー。『エクスペンダブルズ』シリーズはここから生まれたんだなと今更ながら理解する。
  • あらすじから見て何かひと悶着あってランボーが乗り出すのかと思っていたら割と最初から写真を撮るだけではおさまらない雰囲気。
  • 捕虜を連れてヘリで脱出と思ったらマードック司令の命令で作戦中止。ランボーと助け出した一人の捕虜の目の前でヘリが引き返す。どうやら司令はアリバイで空の収容所の写真を撮るだけで最初から捕虜の救出などまったくするつもりがなかった様子。
    • なるほど「怒りの脱出」とは一度見捨てられたランボーが脱出するからだったのか。映画ファンなら当たり前に知っていることをこの2020年に新鮮な気持ちで観ている。知らなかったことを知っていくのはいい気分だ。
  • 爆弾矢を撃ちまくり、ヘリから収容所を景気よく爆破し、機関銃でソ連兵もベトナム兵も撃ち殺しまくる。ランボーのパブリックイメージ通りの活躍を観れて割と満足感がある。
  • この映画のロケットランチャー描写は発射→即命中で、弾が飛んでいく描写がない。そこに妙な違和感がある。例えて言うなら銃を撃つ時狙いをつける→トリガーを引く→銃口から火を吹く→命中というのが普通の演出だとしたら、狙いをつける→命中くらいの間が抜かされてる感がある。
  • 続編としてはまぁ納得できる方向性

    弾薬量とセクシーシーンは大幅増量なのはわかり、悪くはないけれどアクション的にも前作のほうがヒリヒリした焦燥感に満ちていて良かったなと。しかし前作に予算を増量してアクション大作にしようという判断は凄い。前作では「この映画は暴力は事態の解決を招かない」と書いたが今回は暴力によって捕虜を救出するのだから正しくアクション映画だ1)ただランボーがそれで報われたかというと……。

    ただこういう辛めの見方は現代の技術的にも予算的にもより盛られたアクション映画を観ているからかもしれない。単に火薬量が凄いというならもっとインフレした映画はあるし。その年の全米興行収入2位を記録したらしいから当時の基準では基準を満たして余りあったのだろう。

    ラジー賞を取ってるようだが(最低作品賞、最低主演男優賞、最低脚本賞、最低主題歌賞)、べつに観てガッカリという出来では……いやこれも後から観てそういうものだと知っているからいいだけで、当時の人から見れば『ランボー』を汚さなくていいのにという向きがあったのかもしれない。まぁたった一人殺すために爆弾矢を撃たなくてもいいじゃんとかヒロインの描写が少なすぎるとかツッコミどころも探せるが。

    ただマードック司令官に無線で首洗って待ってろといったシーンはアガった。個人的性癖に来るところである。

    作品の方向性は変わったが、敵に囲まれた環境で戦う、ただし今回は州兵どころではなくベトナム兵とソ連兵、山の中の戦いをよりスケールアップしてジャングル戦に、警察署を銃撃するのを軍の作戦司令室を銃撃にとか前作のスケールアップが図られているのは感じる。トラウトマン大佐へ心情をぶつけるシーンもあるし、社会の真ん中に居場所がない男としてのランボーは踏襲されている。続編としてはまぁ納得できる、退屈もしないしいい映画ではないだろうか2)退屈しないというのがいい映画ってあまりにいい加減と言われるかも世に退屈な映画は山程あるのだ。

    続き

    【感想】ランボー弱者が『ランボー3 怒りのアフガン』を観てみた記事―悪い意味で普通の映画になってしまった感じ

    脚注

    脚注
    本文へ1ただランボーがそれで報われたかというと……。
    本文へ2退屈しないというのがいい映画ってあまりにいい加減と言われるかも世に退屈な映画は山程あるのだ。
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