前回に引き続き4作目を観ていく。
前作から20年ぶりに作られたようだが、『3』の全然しまってない終わり方で全然続編が出てなかったのはやっぱり『3』が不評だったからなのだろうか。
- 『2』『3』とアメリカ軍に利用されっぱなしだったので、単に現地に詳しい人として雇われたのに拍子抜け。絶対裏があるもんかと思った。
- この襲撃シーンが血が吹き人体が破裂する凄まじいもの。
- これはトラウトマン大佐が出てこなかったおかげだと思う。あのオッサンは自分の都合の良いようにしかランボーを動かそうとしない。
グロいシーンだらけだが、ランボーシリーズは本来このくらいのテンションで作らなければいけなかったんじゃないか
『1』『2』『3』と連続して観てよかったのは、この映画は残虐シーンまみれだけど人が捕らえられたジャングルの村とか村を襲撃する軍隊とか機関銃で敵軍をなぎ倒すとか要素自体は過去作を踏襲してることに気付けたこと。敵が犬を連れて狩り出しにくるのは『1』でもあったなと思う。これまでのランボーも本来ならこれくらいのグロ映像になっていた、というような意図を感じる。血しぶきが上がるのも人体がバラバラになるのも今までのシリーズで描かれる戦場にあるはずだった情景だ。
シリーズにあって今作にはなかったのは「痛みを伴う治療シーン」と「拷問シーン」か。どちらも今作のリアリティレベルでやると洒落にならないからやらなかったのだろう。
ストーリー的には敵にさらわれた人を助けて戻ってくるというだけのシンプルな話で、過去作と同じことをやってる―これは意図してのものだろうけど―のに観ているテイストは『2』や『3』とはまったく違うようになっている。
スタローンは「ランボーシリーズ中で最も残忍な映像になったのは、‘現実’を描いたから」と言っているらしいけど、その制作意図は成功してるし、ランボーシリーズは本来このくらいのテンションで作らなければいけなかったんじゃないかと感じさせる。自分が『3』を観ててこのくらいの軽さで描いていいのかって思ってたのを見事に応えてくれた感じ。やっぱりスタローンは信用できる男。
舞台になるミャンマーだが、前に読んだ『アヘン王国潜入記』で民族問題を抱えてることは知っていたけど、これだけ凄惨な光景を絵にして見せられると改めて考えさせられる。ランボーはいなくても実際に軍による虐殺や残虐行為はあったことだもんなぁ……。
作品時間は一時間半と短時間、登場人物も傭兵団がいる分過去作より多めだがそれぞれのキャラを最低限の描写でキャラ付けして、テンポのいいカット割りで魅せ全くダレる暇を与えない……上に話が早すぎるなとも感じさせない絶妙の作り。いい意味で体感40分くらいに感じた。
今までの評価をまとめると1>4>2>3の順だろうか。オリジンの『1』は別格としても今作はそれに次ぐほど良かった。『1』とは違うベクトルで「ランボーはただのアクション映画じゃない!」と言える出来だと思う。まぁグロいから人を選ぶけど、平気な人はぜひ観たほうがいい一本。