世田谷文学館の筒井康隆展に行ってきた

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筒井康隆展に行ってきた

世田谷文学館の前には企画展の看板が

 本日、11月3日は私の誕生日です。だがそんなことはどうでもよろしい。世田谷文学館で開催されている筒井康隆展、そしてその企画「筒井書店即売会」に行ってきたというお話です。会場内撮影禁止だったので会場の様子を伝える画像は基本的に図録からもって来てます。

 ブログのタイトルに「靴を焼け」とか書きつつイベントに出かけんのかいという突っ込みもあろう。だが、いかに引きこもりと言えど出かけなければいけない時は出かけなければいけないのだ。

パネル展示

「美形なので似顔絵が描けない」という理由で顔のない似顔絵がトレードマークになってるが
実際若い頃の写真見るとハンサムだわ……

 主な展示は1934年の誕生から2018年の筒井康隆展までの年表パネルとその時の事件にちなんだ展示物。年表の内容は『漂流 本から本へ』『狂気の沙汰も金次第』『笑犬樓よりの眺望』などのエッセイ群で読んだことあるのでだいたい「あの話か…」とわかるのだが、事件と事件の時間間隔がすぐにつかめるのは面白い。特に自分のようにリアルタイムで読み続けたわけではなく後から全集や単行本を読み漁ったタイプの人間には発見も多いと思う。思ってたより『富豪刑事』って初期の作品なんだな…とか、『旅のラゴス』って1986年の作品なのか!それが最近になってネットの口コミで再ブームって改めてすごいなとか。

 確実といわれながらも落選した第67回直木賞のところには特に恨み言は書いてないのに、大学生の頃”ろくな審査もなしに日活ニューフェイスに落選した事については未だに日活を恨みつづけている”とパネル展示に書いてあって笑う。直木賞に落選したことはそれほど怒ってなかったので、文学賞に落とされた若手作家が審査員を殺しまくる小説『大いなる助走』を書いた時は怒りの描写をするのが大変だったとなんかのエッセイで書いてましたね。

直筆原稿展示

オコディのサインは別紙に書いたものを原稿に貼り付けている。
ホチキスが針を発射するシーンの原稿は会場でご覧ください。

 『陰嚢録』の文体1)「でしょう」を「でしょー」のように伸ばすは最初に普通に書いて後から全部修正したのかっていうのも面白かったが、一番の感激はマイベスト作品『虚航船団』の原稿を見れたことだ。『虚航船団』はタイポグラフィ表現や雲形定規の図、ナンバリングのカウント、ホチキスの針などがページの上を踊っているかなり実験的な要素が強い作品なので、原稿の指定などを見るのが楽しい。筒井康隆ファンは絶対見に行くべきですよ。

筒井書店

 小生も早84歳、そろそろ終活に入らねばならぬ時期となったとのことで筒井康隆蔵書海外SFの即売会が会場で行われた。筒井康隆の蔵書が自分の本棚に入るんですよ? 買いにいかない馬鹿います?

 会場で最初に目についたのは『永遠の終わり』。アシモフのタイムトラベルもので個人的には物凄い好きな一作なのだが自分で持っているものを高名な作家の蔵書だからと複数買いするのはどうか……?と悩んでる間に他の人に買われてしまった。実は今も結構後悔している。

 結局購入したのはハインラインの『魔法株式会社』など。

蔵書印がばっちり

物販コーナー

 最後は物販で先程から引用している図録と『文藝別冊筒井康隆』としおりを購入。

視線の『圧』を感じるなあ……と思っていたら


折り畳まれているカバーを開くとポスターになる仕様
凝ってる

 ムック本『文藝別冊筒井康隆』は大森望によるロングインタビュー、星新一や小松左京、大江健三郎と丸谷才一との対談の再録などが嬉しかった。筒井康隆から影響を受けた作家はやはり筒井康隆について語らせたら本気になるのか読み応えのある寄稿文が多いと感じる。

筒井ファンは是非行くべし

 ”ツツイスト”と自称するような日本SF黄金期をリアルタイムで経験してきて筒井康隆作品も同時代で読んできたという人も多いだろうが、私のように後追いで筒井ファンになった人も多いと思う。そんな人にとっては時系列を通してこの作品は何時頃に発表されたとか確認するとなにか気付きがあったりすると思う。長年のツツイストにとっては過去の単行本の表紙を並べた展示を見るだけで懐かしいものがあるはずだ。

 長年のファンもライトファンにもオススメできる展示会だし、まず生きてる作家2)筒井康隆もいつか死ぬと考えると耐えられない。世界は間違っている。法律で取り締まるべきの展示会が開催されること自体珍しい。足を運んで損はないハズだ。

世田谷文学館

脚注   [ + ]

1. 「でしょう」を「でしょー」のように伸ばす
2. 筒井康隆もいつか死ぬと考えると耐えられない。世界は間違っている。法律で取り締まるべき
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