『オオカミの家』の記事を書くにあたってネットで調べていたら、『オオカミの家』の監督が絶賛したアニメ!というものを見つけたので観てみることにした。
チリのヴァルディヴィア映画祭のヤング部門にて審査員特別賞を映画「スケアリーフレンド」が受賞し、同映画祭に新作を出していた『オオカミの家』の監督の一人、ホアキン・コシーニャがインスラグラムで絶賛したとの流れだそうな。
初作品 約76分 制作費約15万(妹に出演してもらうために購入したswitch&あつ森代含む)
ほとんど2人(瞬間最大お手伝い人数4人)で作りました。
あらすじ:ぬいぐるみしか友達がいない孤独な少女ぬいこさん。ある日友達を作りに町に出かけると、そこで自転車に乗った殺人鬼の噂を耳にする……
ぴあフィルムフェスティバル2022にて準グランプリ&観客賞を受賞。
チリの第30回バルディビア映画祭にて公式青少年長編映画セレクション青少年長編映画部門特別審査員賞を受賞。
Youtube
自作のぬいぐるみが友達の孤独な少女・ぬいこ。街で恐れられる殺人鬼・ヤバチャリ。彼らが織りなす「友達」をめぐる物語。針一本、布一枚、カメラ一台から生まれる世界に驚愕必至!観たら誰もが「つくりたい」衝動に駆られるはず。
ぴあフィルムフェスティバル
自作ぬいぐるみしか友達がいないぬいこはぬいぐるみ達に励まされて友達を作りに出かけると、自転車に乗った殺人鬼”ヤバチャリ”に出会ってしまう。隠れてヤバチャリをやり過ごすも、家からついてきてしまったぬいぐるみのベンジャミンがヤバチャリのオーバーオールの中に落ちてしまう。ぬいこはヤバチャリの後をつけて彼の家に潜入するのだが……。
サスペンスなのであまり詳細にあらすじを書けません。
この映画も『オオカミの家』と同じように二人の監督によって作られているが、あちらと違ってスタッフロールに記載されてるのもほぼ監督コンビの二人だけ。主演女優は監督の妹という小さな体制だがこれでちゃんと面白いのだから掘り出し物という感覚だ。
観てみると確かに制作費約15万(妹に出演してもらうために購入したswitch&あつ森代含む)だけにチープなのだが、ぬいぐるみの動きはやたらこなれていて惹き込まれた。俳優を何人も雇えないからぬいぐるみを代わりにしようとして2年かけてコマ撮りとGB撮影で完成させたと知って「マジで!?」となった。今の時代熱意さえあれば金がなくても結構なことができるのね。
ファンシーな独特の世界観かつ「そう来る!?」と二転三転するストーリーの振り方、ストレスにならず間延びしていない演出のテンポ(これがあるから観ててストレスにならない)があっていい意味で「普通に」娯楽映画として楽しんで観ることができた。制作費約15万(妹に出演してもらうために購入したswitch&あつ森代含む)、ほぼ二人で制作された映画としては驚異的と言ってもいいと思う。
U-NEXTではファンタジーサスペンスと銘打たれていたが、自分としてはファンシーサスペンスといいたい。ぬいぐるみと少女、仮面の男しか出てこないファンシーな世界なのと、ジャンプスケアがないのでホラー苦手な人にもオススメできる。このいきなり「ギャー!」と声を上げてびっくりさせる手を使わずによく出来てるのも高評価ポイント。「驚き」はストーリーの方にはちゃんとあるので退屈もしない。
ひとつノイズになったのは結構な重要キャラの蟹?エビ?のぬいぐるみ「わちゃ」の喋り方が聞き取りにくいことですかね……。
でもかわいい
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『スケアリーフレンド』はU-NEXTで視聴可能。
Youtubeにて期間限定で無料公開されているのでそちらでも。