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【感想】ランボー弱者が『ランボー 最後の戦場』を観てみた記事―このシリーズは本来このくらいの情景(グロさ)のはず

前回に引き続き4作目を観ていく。

前作から20年ぶりに作られたようだが、『3』の全然しまってない終わり方で全然続編が出てなかったのはやっぱり『3』が不評だったからなのだろうか。

  • 冒頭からミャンマー内戦の資料映像で「これはこれまでのシリーズとトーンは違うぞ」というようなメッセージを感じる。
  • 『3』以降ランボーは東南アジアで生活してたらしい。そこへキリスト教の慈善団体がやってきてミャンマーの虐げられている人々のために人道支援をしたいから船を出してくれとの依頼が。
    • 『2』『3』とアメリカ軍に利用されっぱなしだったので、単に現地に詳しい人として雇われたのに拍子抜け。絶対裏があるもんかと思った。
  • 道中襲ってきた盗賊を返り討ちにしちゃって慈善団体の人と揉めるも、とりあえず無事に団体を村に送ることに成功する。帰りは陸路で行くからと一人返されるランボー。しかしその村が軍隊に襲われ家は燃やされ慈善団体の人たちは拉致されてしまう。
    • この襲撃シーンが血が吹き人体が破裂する凄まじいもの。
  • そこでランボーは救出のため傭兵団をボートに乗せ再びミャンマーに向かうことに。傭兵団についていこうとするランボーだがボート屋はボートに残ってろと一人船に残される。まぁランボーの経歴も知らなきゃいい年したおっさんだししょうがない。
  • 荒らされた村跡で数人の軍人が拉致した村人を地雷を沈めた田んぼの中を走らせるという悪趣味な遊びをしているのを物陰から隠れて目撃する傭兵団、だが突然そこへランボーが現れ軍隊をあっという間に弓矢で全滅させる!
  • 腰が引けていた傭兵団を「こんな所にいたい奴はいない。だが俺たちのような男の仕事はここにある」「無駄に生きるか何かのために死ぬかはお前が決めろ」と説得。軍隊のアジトへ潜入することに。
  • ランボーが敵の大将の喉笛を素手でちぎり取る。これシリーズの中でも中々の超人描写だと思う。
  • アジトから脱出するも敵の大群に追跡される。これだけの大群をどう倒すんだろうと思ってたら前半に出てきた不発弾を利用してだいぶ倒す。
  • 先にボートに到着していた傭兵団は軍隊に追いつかれて処刑寸前だったが密かに後ろに回ったランボーと、都合よく到着した反乱軍のおかげで舞台は大乱戦に。
  • 故郷へ帰るランボー。でもこの続きがあるということはまだ安息の日は訪れないのね。でも一時でも良いから帰れてよかった。
    • これはトラウトマン大佐が出てこなかったおかげだと思う。あのオッサンは自分の都合の良いようにしかランボーを動かそうとしない。
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    グロいシーンだらけだが、ランボーシリーズは本来このくらいのテンションで作らなければいけなかったんじゃないか

    『1』『2』『3』と連続して観てよかったのは、この映画は残虐シーンまみれだけど人が捕らえられたジャングルの村とか村を襲撃する軍隊とか機関銃で敵軍をなぎ倒すとか要素自体は過去作を踏襲してることに気付けたこと。敵が犬を連れて狩り出しにくるのは『1』でもあったなと思う。これまでのランボーも本来ならこれくらいのグロ映像になっていた、というような意図を感じる。血しぶきが上がるのも人体がバラバラになるのも今までのシリーズで描かれる戦場にあるはずだった情景だ。

    シリーズにあって今作にはなかったのは「痛みを伴う治療シーン」と「拷問シーン」か。どちらも今作のリアリティレベルでやると洒落にならないからやらなかったのだろう。

    ストーリー的には敵にさらわれた人を助けて戻ってくるというだけのシンプルな話で、過去作と同じことをやってる―これは意図してのものだろうけど―のに観ているテイストは『2』や『3』とはまったく違うようになっている。

    スタローンは「ランボーシリーズ中で最も残忍な映像になったのは、‘現実’を描いたから」と言っているらしいけど、その制作意図は成功してるし、ランボーシリーズは本来このくらいのテンションで作らなければいけなかったんじゃないかと感じさせる。自分が『3』を観ててこのくらいの軽さで描いていいのかって思ってたのを見事に応えてくれた感じ。やっぱりスタローンは信用できる男。

    舞台になるミャンマーだが、前に読んだ『アヘン王国潜入記』で民族問題を抱えてることは知っていたけど、これだけ凄惨な光景を絵にして見せられると改めて考えさせられる。ランボーはいなくても実際に軍による虐殺や残虐行為はあったことだもんなぁ……。

    作品時間は一時間半と短時間、登場人物も傭兵団がいる分過去作より多めだがそれぞれのキャラを最低限の描写でキャラ付けして、テンポのいいカット割りで魅せ全くダレる暇を与えない……上に話が早すぎるなとも感じさせない絶妙の作り。いい意味で体感40分くらいに感じた。

    今までの評価をまとめると1>4>2>3の順だろうか。オリジンの『1』は別格としても今作はそれに次ぐほど良かった。『1』とは違うベクトルで「ランボーはただのアクション映画じゃない!」と言える出来だと思う。まぁグロいから人を選ぶけど、平気な人はぜひ観たほうがいい一本。

    続き

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