遺伝的アルゴリズムで最高にエッチな画像を作ろうプロジェクトが面白い。
詳しい説明はリンク先を読んでほしいが、二つの画像からエッチな方を選んでいくことで、よりエッチな画像とその画像を構成する図形=遺伝子が生き残っていって、自然淘汰されることでエッチな画像が出来上がっていく……という仕組みらしい。私もよくわからないのだが、こういう事をやろうとするとディープラーニングで自動的に学習させるのが普通で、最近では敵対的生成ネットワーク(GAN)とやらでやるのが現在のトレンドにも関わらず、遺伝的アルゴリズムかつ評価を人力で行うというのはなかなかロックな企画らしい。
0世代から5750世代くらいまでの画像を動画にしたツイートを見ると、
2000世代に入るくらいで段々画像の中に肌色の空間が出るようになってきて、2000世代後半で二つの肌色の円の中に小さいドットがそれぞれ入った図形……つまるところおっぱいが瞬くように生まれては消え、3000世代前半で確固たるおっぱいが形成され、3600世代ころからおっぱいの上下に肌色の円が生まれ人体の雛形が具象化されて、4500世代頃に尻から足へのラインが浮かび上がり、5000世代前半には髪の毛が生えてきて、5600世代には曖昧としているが目や口といった顔貌が像を結びはじめたのがわかる。
ちらつくモザイクという渾沌の中から徐々に女体という秩序が生まれていく様は星間雲が集まり星が生まれる過程を見ているようで感動的である。というか2000世代を超えるまでカラフルな業務用チョコスプレーをぶちまけたようなランダム図形の集合体の中にエッチという価値を見出そうと努力を重ねていた企画参加者たちもすごい。だって初期世代なんてこんなだぜ。
2021年1月30日現在、画像は8700世代を超えているが、すでにポージングは固まりつつあるどころか、パースのある横顔までも整えられているのが驚異的なところだ。後、6000世代に比べると顔のバランスがアニメ絵っぽくというか吉田明彦っぽくなってる。
「遺伝的アルゴリズム until:2021-01-11」でツイッターを検索してみると、「100年経っても終わらない」とか「人類がモザイクで興奮できる方が早い」とか初期には否定的な意見が出ているのを観測できるが、にも関わらず半月ぐらいでここまで完成度が高まったのには進化の力を感じずにはいられない。そりゃあゲッターエンペラーもビックバンを引き起こすほどのエネルギーを発しますよ。
また下半身から足にかけては4000世代前後ですでに生まれつつあるのに、6000世代になっても腕は生えてこず、腕のシルエットが安定して形成されてくるのは7000世代を超えてからとかなり遅い。
ミロのヴィーナスが腕を欠損した不完全な形にも関わらず偉大な美術作品として評価されてきたのは、美は胸、顔、尻にかけてのラインの順で必要であり、腕は必須ではないと人間は本能的に考えているからなのかもしれない。
このプロジェクト、1月13日に一回処理を変えたことでデータが一度飛んでいるのだが、飛ぶ前にもおっぱいができていておっぱい中心に人体ができそうだったのが面白い。何度か同じことをやっても似たような結果が出るなら、この実験結果を元にして「エッチはおっぱいから」という論文ができそうだ。
また、これは日本人が中心になって動いているが価値判断を行う集団、つまり環境の違いによってできる画像に違いは出てくるかも気になるところだ。例えば豊胸手術ならぬ豊尻手術が盛んなくらい尻好きなブラジルだったら最初に尻ができて尻基準に人体が形作られていくのか? ゲイだけが実験に参加したら男体ができあがるのか?
この淘汰圧によって形象が形作られるというプロセスは、自然界の擬態する昆虫が出現してくるのと同じなのではないか?
この企画では「たまたまおっぱいに見える図形」がきっかけで方向が定まったが、昆虫の場合も「たまたま枯れ葉のように見える個体」が生まれその個体がきっかけに枯れ葉状の模様が爆発的に進化していったということだろうか。
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エッチすぎてサイトの広告が停止されたら実験成功ということだが、この調子でいけば年内にゴールしてしまうかもしれない。「進化」という長期スパンでしか観測できない現象を人間レベルの時間間隔で確認できる非常に面白い企画なので、参加してみるといいんじゃないかな。
グーグルから広告を停止されたそうです。グーグルも認めたエッチさ!
1月10日から初めたプロジェクトが2月11日(停止されたのはちょっと前らしい)に目標達成したのだから、わずか1ヶ月でゴールしてしまったことになる。進化の力ってすげー。インテリジェントデザイン論者にはこの企画を教えてあげるべきだね。