『The Shrouded Isle』(ザ シュラウディッド アイル)というゲームがある。STEAM発のインディーズゲームで最近Switchにも移植されることになり、それに伴って日本語化された。
shroudとは経帷子、 shroudedは覆う、包むの意味なのでタイトルを直訳すると「覆われた島」、副題は「沈んだ罪」。
どんなゲームかと言うと島一つ支配するカルト教団の司祭長となって異端審問や焚書(まっとうな知識を教団員に与えてはいけないのだ)などをして島の住人の信仰を促進し、邪神チェルノボグに悪徳に染まった生贄を捧げ、迫る邪神復活の時までの5年間島を運営する。そんなゲームだ。
司祭長と聞くとエラそーだが実際にやってることは完全に中間管理職である。
邪神は「情熱を促せ……燃える炎のような信仰」などとノルマを課してくるし、住民の悪徳を調べようとすると支持率が落ちるし、一つの家から連続で生贄を出すと滅茶苦茶支持率が落ちるし(なんでウチの家だけ!って事で)、あまりに支持率が低いと反逆されるので顧問に任命して優先して仕事を振って機嫌を取らなきゃならないし……。邪神とカルト教徒の間に挟まれて苦労する中間管理職。それがこのゲームのプレイヤーである。
この島にはケグンニ家、イオセフカ家、カドエル家、エファソン家、ジシュカ家の5つの貴族がおり、それぞれ無知、情熱、自制、後悔、服従の徳を司っている。またそれぞれの家には支持率のパラメータがある。
ゲームは3ヶ月が1ターンで、徳目のどれかもしくは各家の支持率が2ターン連続で基準値を下回るとゲームオーバーになってしまう。
プレイヤーは毎季各家から1人づつ顧問を選び出し、毎月5人の中から最大3人を選んで儀式をさせる事ができる。1人しか選ばないというのも可能だ。
村人はそれぞれ「徳」と「悪徳」を持っており、儀式を行うと所属している家が担当している徳の値を上げるだけでなく、持っている徳の値を上げ、持っている悪徳の値を下げる。
例えば彼女の場合、法令遵守の「徳」と浮気者の「悪徳」を持っており、自制を司るカドエル家の儀式によって自制が+10され、法令遵守という徳のため服従を+10し浮気者という悪徳のため自制を-20する。つまり服従を+10、自制を-10するわけだ。
村人がどのような徳・悪徳を持っているかは最初はわからず、顧問を選ぶ前の尋問と儀式中の調査で特定することができる。しかし詳しく調査するとその家の支持率が下がってしまうというリスクもある。村の運営のためには悪徳についてはキッチリ知っておく必要があるのだが……。
顧問選択時の尋問回数は家の支持率によって変わり、支持率がかなり高いと2回、普通だと1回、低いとさせてもらえない。
儀式を行った者が所属する家の支持率は上がり、行わなかった家の支持率は下がる。この時の上がり幅は儀式を担当した者の数によって変わり、1人だけ選ぶと選ばれた家の支持率はグンと上がり、3人選ぶと上がり方もそこそこ。
ターンの終わりには顧問の中から邪神へ捧げる犠牲者を選ぶ。もちろん選ばれた犠牲者の家からの支持率は落ちるのだが、重大な悪徳(-30の悪徳)を持った者を犠牲にすれば、「アイツならまぁ仕方ないか…」と支持率の落ち方が少なくなる。だが、2ターン連続で1つの家から生贄を出すと重大な悪徳の持ち主だろうが滅茶苦茶支持率が下がってしまう。
犠牲者を生贄にすると例えばその人が情熱の徳と服従の悪徳を持っていた場合、服従の値が上がるが情熱の値が下がってしまう。このせいで生贄にするまえは基準値を満たしていた徳が基準値以下になってしまうという事もあるが、足りない徳の最後の調整に使うこともできる。
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新しいターンが始まると邪神から次のターンは○○の徳を促せという指令と、○○の悪徳の持ち主を生贄によこせという命令を受けることになる。この指令がやっかいで、求められる生贄を捧げるまでは特定の徳の目標値が高くなり、水準を満たすのが難しくなる。生贄を捧げればまた新しい徳を促されるのだが。
また生贄を求める邪神の声は重大な悪徳の持ち主を探すヒントになる。例えば上のような命令を出されたら村人に臆病の女がいるという事。臆病は情熱の悪徳なので情熱の悪徳を持った女は重大な悪徳持ちの可能性があるということだ。
プレイをすすめると村人が病気にかかってしまう。病人の村人は顧問に選んでも徳を上げにくくなり、病気はどんどん一家の中で伝染するので隔離・浄化する必要がある。このせいで使い勝手のいい村人を次も顧問にしようとしても使えないこともあるので注意。
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徳の数値に気を使い、支持率を一定値に保ち、邪神の命令に従って生贄を供え、5年間村を運営し続ければエンディングとなる。
どうも日本語化にミスがあるらしく、生贄に求める悪徳として「The Morbid ONE」と邪神が言ってくることがある。
morbidとは「死などの陰鬱な事柄に強い興味を示すこと」で、つまり「悪趣味」という事。悪趣味の住民を生贄にすれば課題はクリアとなる。
他にも若い男を捧げよ! なんて指令が来ることもあり、そんな時は「十代」の悪徳の持ち主を捧げればクリアできる。十代ってだけで邪神に捧げられる理由になったらたまったもんじゃねえよな。
住人たちが一つづつ持っている徳と悪徳。○○を捧げよと言われて「えっとどの種類に属する悪徳だっけ?」となった時のために表にまとめてみた。
徳目 | 徳 | 悪徳 |
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実用的(+5) 純真(+5) 鈍感(+10) 無教養 (+10) 悪魔憑き(+15) 縁起担ぎ(+15) | 知りたがり(-10) 語学者(-20) 創意(-20) 学者(-30) 芸術家(-30) | |
カリスマ(+5) 歌い手(+10) 乱暴(+10) 加虐性愛者(+15) 放火魔(+15) | 自己満足(-10) 寛大(-20) 気弱(-20) 怠惰(-20) 世捨て人(-20) 臆病(-30) 悪趣味(-30)<The Morbid ONE> | |
冷静 (+5) 活発(+10) 純粋(+10) 禁欲(+15) 被虐性愛者(+15) | 大食(-10) 浮気者(-20) 気前の良い(-20) 無精(-20) 横領(-30) 変態(-30) | |
正直(+5) 自己嫌悪(+10) 受刑者(+10) 公正(+15) 非難(+15) | 頑固(-10) 狡猾(-20) 自己陶酔(-20) 詐欺師(-30) 嘘つき(-30) | |
内気(+5) 優雅(+5) 軍国主義(+10) 法令遵守(+10) 盲目的 (+15) 良き友(+15) | 十代(-10) 心的外傷(-10) 衝動(-20) 皮肉屋(-20) 盗難癖(-30) 反逆者(-30) |
・一家全員皆殺しにしてしまえば「態度:反逆的」だろうと反逆されることはない。連続して生贄にしてしまってもう反逆寸前だという時、もし一家に残っているのが1人だけだった場合ソイツも家族の元へ送ってやって一族根絶やしにしてやればいい。
・疫病にかかっている人間がいるが監禁する檻が足りない。じゃあいっそ生贄にしちゃおうか、などと考えてはいけない。例え重大な悪徳を持っていようと「治療が必要な人間を生贄にするなんて…!」と残された家族が怒り狂う。
・疫病は症状がわかってから浄化しないと治療できない。監禁してからも尋問することで症状がわかるがそれだと判明するまで1ターン必要になる。「言動が異常」状態の住人は徳について尋問することで症状がわかるので事前に尋問してから監禁しよう。
・病気でない住人を浄化すると、成功した場合徳が上がり、失敗した場合死ぬか悪徳があがる。悪徳が20のヤツを水につけて悪徳30にする事で生贄にされてもやむなしなヤツにするというテクニックもある。
・浄化成功したはずなのに檻から出たがらないヤツがたまにいる。それは徳が15の住人で浄化成功すると「開眼者」になる。別に一度疫病にかかってなくとも、徳が15の住人なら健康な状態で浄化することで「開眼者」にすることができる。
ノーマルエンド:五年間上手く運営する
特殊バッドエンド:三年以上経った後、「無知」「情熱」「自制」「後悔」「服従」どれかのパラメーター不足でバッドエンドになった場合、それぞれ特殊なバッドエンドがある(実績達成)。支持率不足での特殊バッドエンドはなさそう。
特殊グッドエンド:実績名からの推測だが、「村人全員殺す」エンディングと「村人全て開眼者にする」エンディングがある。だけど両者共にかなり運が絡むので相当難しいと思われる。
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The Shrouded Isle(ザ シュラウディッド アイル)
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