シャアの演説は世論を大きく動かしていた。そこへガンダムファイター、ドモン・カッシュがデビルガンダムを倒すために力を貸してほしいと現れる。デビルガンダムとはもともとアルティメットガンダム、オペレーションメテオの一環として建造されたガンダムだった。アルティメット細胞による地球浄化計画の機体が大気圏突入の衝撃で異常をきたし、デビルガンダムになったと説明するトロワ。
デビルガンダムが元師匠のマスター・アジアと共に各地で破壊活動を行っていて、コクピットには自分の兄が乗っている。自分はなんとしてもデビルガンダムを止めなければならないというドモン。協力を快諾したロンド・ベルはデビルガンダムとマスター・アジアがいるギアナ高地へと向かう。
ギアナ高地に到着すると何故かティターンズが周囲を警備しており、ジェリド率いるティターンズとロンド・ベルは戦闘に入ることになった。シロッコまで登場してロンド・ベルを追い払おうとするティターンズだが、そこへハマーン・カーンが現れる。ハマーンによれば、シロッコはデビルガンダムの再生能力を利用して地球環境の再生と人類選別を目論んでいたという。フィフス・ルナ落としの妨害もその目的のためにわざと手を抜いていたのだ。しらを切り通そうとするシロッコだが、「後はワシにまかせていただこうか」と東方不敗マスター・アジアまで現れた。
「このワシとデビルガンダムに手助けは無用!」というマスター・アジアに任せてシロッコたちティターンズは撤退していった。デビルガンダムはハマーンにとっても邪魔者ということで利害が一致したロンド・ベルとハマーンは共闘してデビルガンダムに挑む。
まさかのデビルガンダムを利用しようとするシロッコ。第二次スーパーロボット大戦Gのネタである。しかし地球環境の再生という目的なら案外おかしくはないのか。話が読めなくなってきて面白さに拍車が掛かる。
地球再生のために作られたデビルガンダムの出した答えが人類抹殺だと言うマスター・アジア。地球を汚す人類そのものがいなければ自然はおのずと蘇り、デビルガンダムさえいればもう誰も地球へ降りられなくなる。何度も何度もコロニーを落としフィフス・ルナまでも落とした人間の行いに未来などないとマスター・アジアは主張する。
激しく戦うドモンとマスター・アジア。だがドモンはマスター・アジアの拳から深い悲しみを感じ取っていた。その身を犯した病魔によってマスター・アジアは倒れ、ドモンはデビルガンダムを破壊する。激昂するマスター・アジアをドモンは人類もまた地球の一部であり、人類抹殺しての理想郷など愚の骨頂と喝破する。取り乱すマスター・アジアにシャアは私もまた若者たちに教えられた身でありあなたの気持ちはわかると語りかけた。だとしてももう他に手はないというマスター・アジアに対してドモンはロンド・ベルに救われたなら彼らにその恩を返すべきだと言う。マスター・アジアはそれを受け入れ、罪滅ぼしのためにロンド・ベルに協力することになった。
事態が落ち着いたとみたハマーンはシャアに世界を再編するため力を貸せと持ちかけるが拒否される。シャアとジュドー両者から拒絶されたハマーンは最後の切り札としてアクシズを地球に落とすと宣言して去っていくのだった。
宇宙に出たロンド・ベルだったが、すでにアクシズは軌道を変え地球への落下起動へ入り始めていた。地球に落下したらフィフス・ルナとは比較にならない被害が予想される。ロンド・ベルは敵の足止めもあって予定よりかなり到着が遅れてしまった。デビルガンダムを失ったにもかかわらずティターンズは動きを見せていないことを不審がる一同。
アクシズに到着したが時間の遅れもあって軌道修正は難しくなっていた。ガンバスターならアクシズを破壊できるが、ケスラーシンドローム1)スペースデブリが一定以上増えるとお互いに衝突し爆発的にデブリが増える。そして生成されたデブリが人工衛星を次々に破壊していってさらにデブリが増えていくという事態。が発生する恐れがあり、その作戦をとることができない。
作戦の目的は四基あるアクシズの核パルスエンジンのうち外側の二つのどちらかを破壊しアクシズの軌道を変えること。最終的にはアクシズを破壊しなければいけないが、ケスラーシンドロームが起きる可能性があり慎重にやらなければいけない。破壊するために利用するのは威力を調整したガンバスターの光子魚雷をミサイルの弾頭に取り付け、多数のダミーを織り交ぜてエンジンを狙う。
第一次攻撃はハマーンによって全弾撃墜されて失敗に終わってしまった。第二次攻撃はアクシズ内部への潜入と爆破工作を行う。ラー・カイラムをアクシズに接舷させ工作隊を乗り込ませるためには敵の包囲網に穴を開けなければいけない。
息の合った連携で戦うシャアとアムロ。ロンド・ベル総勢の攻勢によって戦場を切り開いていく。ラー・カイラムは合わせてミサイルを発射するがハマーンに再び防がれる。ハマーンはシャアに地球上に残ったゴミを始末しなければ未来はないことを説き、今のシャアはロンド・ベルという連邦の飼い犬に成り果ててしまうのかと問う。しかし、ジュドー、カミーユ、シーブックらはハマーンの言うことを否定する。アクシズで育ったハマーンの憎悪を感じ取るニュータイプたち。
最後に見た人の光に暖かいものを感じたのかハマーンは満足したように死んでいった。包囲網は崩れたのをみたラー・カイラムはアクシズに接舷し破壊工作に成功する。分割されたアクシズは大気圏に弾かれ、突入軌道から外れるはずだったが、突然アクシズで爆発が起き、シロッコ率いるティターンズの艦隊が現れる。
シロッコの狙いはアクシズを臨時政府のあるジャブローに落とすことだった。地球の重力に魂を惹かれた者がいる限り地球に未来はないと語るシロッコ。先の戦争で減ったとは言えまだ人は多すぎるだろうとシロッコはシャアに同意を求めるが、シャアは否定する。「今の私は人の革新を信じられる」と。
ロンド・ベルによって撃破されるシロッコだったが、「すでにアクシズは突入軌道に入った。貴様たちの負けだ」と笑いながら死んでいく。
「たかが石ころ一つ、νガンダムで押し戻してやる!」とアクシズに取り付くアムロ。それを見てシャアも同じくアクシズを押し戻そうとする。二人の後にロンド・ベルのメンバーだけではなく、ティターンズ兵までも加わった。人の意思が集中しサイコ・フレームの共振による光がアクシズを包んだ。アムロとシャアにブライトからアクシズの軌道がそれていくと通信が入る。一体何があった?と疑問を持つブライトに対して二人はこう答えるのだった。
帰投するアムロとシャア。これからはお偉いさんとの交渉や、根回しにシャアの力が必要になるというアムロ。シャアはそれにならばアムロを私の片腕としてスカウトしたいと応える。政治はガラじゃないというアムロに対し、シャアは私をロンド・ベルに引き込んだ責任はとってもらうというのであった。
いやぁ……今回のシナリオ滅茶苦茶面白くなかったですか? 「シャアがアクシズ落としを止める」「シャアが政治家の道を進む」「シャアに伴ってアムロも政治へ関わっていく」といったあたりがコンセプトなんでしょうが、今まで政治家シャアはエンディング後の存在であって、キャスバル・レム・ダイクンの名前まで使って自軍を政治的にバックアップというやり方を取ったのは珍しい!
このイベントシナリオでシャアが初めてやってたことは逆シャア直前のことだったから、ロンド・ベルVSシャア率いるネオジオン&ハマーンが率いるネオジオンVSティターンズみたいなシナリオになってもおかしくなかったわけですよ。でもこのイベントでは一度は手が出るまでの口論をしたけど、その後アムロは頭を下げて政治的な仕事のセッティングまでして(パイロットの仕事じゃない)シャアに政治家の力を使ってくれと頼み、それにシャアは応えた。そして戦場では息ぴったりの戦闘で戦い、最後はアムロがシャアの右腕となって政治の舞台で戦おうという凄いハッピーエンド。
後このセリフなんなんですか? スパロボαをやった時に、当時BLとかまったく知らなかった男子中学生だったんですが、「やはりアムロには白いガンダムがよく似合う」ってクワトロが言ってるのを読んで、「あっこのふたりはただならぬ関係なんだな」って感じたのを思い出しましたよ。
シナリオ量も結構読み応えがあって本家スパロボのラスト数話をやったような気持ちになれました。良イベントだったと思います。
…………そういえば今回のシナリオでガンダムNT勢まったく出てねえ!2)上映中参戦だから原作の話やるとネタバレになるししょうがないんですが
ガンダム作品はバンダイチャンネルで見ることができる。
アニメ・特撮見放題サービス|アニメ・動画配信 / バンダイチャンネル
2018年12月時点だとアマゾンプライムビデオでも見放題作品になっているが、アマゾンプライムビデオではサンライズ系作品は見放題になったり、有料レンタルになったり時々変わるので現時点で見放題かどうかは確認してください。